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慢性胃炎

慢性胃炎について

慢性胃炎とは、胃の粘膜に生じた炎症が長く続く状態です。具体的には、胃の粘膜のうち胃液を分泌する組織が萎縮します。主な原因はヘリコバクター・ピロリ(H. pylori)という細菌への感染で、萎縮が広範囲にわたると、慢性胃炎は胃がんの危険因子にもなり得ます。すなわち、ピロリ菌を除去すれば、胃がんのリスクも下がる可能性があるということです。しかし、菌を取り除いても未感染者よりは発症リスクが高く、胃カメラによる定期的な検査が欠かせません。

慢性胃炎の原因

慢性胃炎の主な原因はピロリ菌への感染だとされていますが、それ以外に非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)も挙げられます。胃炎は、軽度であれば適切な治療と生活習慣の見直しで改善される疾患です。しかし、治療をせずに放置すると粘膜が異常な状態のままになり、粘膜の持つ修復力が失われて粘液の分泌量も低下します。その結果、胃酸による強い刺激が継続的に胃の粘膜を襲い、胃潰瘍の原因になる場合もあります。

ピロリ菌について

慢性胃炎の症状

慢性胃炎では、食欲不振、上腹部の不快感、上腹部の痛みなどの症状が認められます。また、症状がない状態のときに、人間ドッグや健康診断で胃カメラ検査を受け、慢性胃炎を指摘される人も増えています。

慢性胃炎の検査

上部消化管造影検査(バリウム検査)や胃カメラ検査によって、胃粘膜の状態を調べます。胃カメラを用いる目視検査で胃がんが疑われる場合、その場で組織を採取し、病理検査に出して調べます。
また、ピロリ菌を除去する治療を受けた後は、定期的な胃カメラ検査が必要です。

胃カメラ検査について

慢性胃炎の治療

ピロリ菌に感染していた場合、胃潰瘍や胃がんの発生を予防するには、症状がなくても除菌治療を受けましょう。胃もたれや胃痛など何らかの症状がある場合も、ピロリ菌を取り除きます。ピロリ菌を除去して症状が改善されるようであれば、不調の原因はピロリ菌感染による慢性胃炎だと判断されます。一方、ピロリ菌を除去しても依然として症状が続く場合、胃の症状はピロリ菌による胃炎とは無関係だと判断されます。この場合、症状の原因となり得る異常が見つからない「機能性ディスペプシア」に準じた治療を実施します。